Unrequited love




「で、大もうけできる話は?」
「ああ、あれ嘘です^^」
「はぁああああああああああ??」
「だってこれライアーゲームでしょ♪」


にっこりとフクナガにむかって微笑む直の姿をみて
秋山はかすかな笑みを口元に浮かべた。

負けて泣いてばかりいた彼女があのフクナガをやりこめている。
以前とは違う「強さ」がある。
それが彼女の心の成長なのだろう。
でも変わらない「優しさ」は強さ以上に直を輝かせていた。

2年ぶりに触れるそれは秋山の心を充足に導いていた。
彼女と離れていた間、
心の渇きを埋めるように色々な場所を放浪した。
それでも満たされることのなかった空虚さが一気に吹き飛んだ。
自分は彼女と共に戦うことに意味を見出しているのか?
滑稽な自分に笑いが漏れる。
こんな場所でしか直に交わることなど出来ないだろう。


でも


それでも


傍にいたいと思うのはいけないことなのだろうか?





「秋山さん、さっき話をあわせてくれてありがとうございました」
きらきらと瞳を輝かせながら、直が秋山の元へと駆け寄った。
「俺達はもっと大きなことを狙ってる。だからいい」

彼女の瞳が眩しくて秋山は眼を逸らした。
まだその光の中にはいけない。
そんな自分を感じながら。
それでも切望する自分を偽りながら。



END
2009.11.17るきあ


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